北海道教育科学研究会

教育科学研究会が創設されたのは、1937年のことでした。その創設者が、戦後、北海道大学教育学部の教育研究を確立していった城戸幡太郎と留岡清男でした。そして、すでにこの頃、北海道教育科学研究会も誕生しています。そして、軍国主義の時代、教育科学研究会は解散せざるをえなくなり、北海道教育科学研究会も活動できなくなりました。戦後、平和と民主主義の時代になり、北海道教育科学研究会は、北海道内各地の教科研として復活し、その結集として、北海道民間教育研究団体連絡協議会が生まれました。現在の北海道教育科学研究会は、1970年代に浦野東洋一、久富善之、内島貞雄らによって再結成されたものです。教育科学研究会は、1952年に新たに結成されました。

札幌『教育』を読む会のお知らせ

本研究会の最新情報はこちらに掲載しています。
2020年2月22日(土)18:00から札幌エルプラザ4階男女共同参画研究室で、2月の第273回札幌『教育』を読む会を開催します。
『教育』2月号特集1「今求められる校長の役割」に関わって、北海道大学大学院准教授の篠原岳司さん、北海道野幌高等学校長の林正憲さんから「対話と合意の学校づくりをもとに」、「校長が語る学校づくり~今、教師になるということ~」という題で報告していただき、話し合う予定です。
希望する方は誰でも参加することができます。

第193回研究会のお知らせ

  2020年3月15日(日)13:30~16:30に札幌市内の北海道クリスチャンセンター304研修室での開催を予定しています。
  決まり次第、詳細をお知らせします。

沿革

戦前の生活綴方の教育実践、人間発達の教育科学を戦後も継承し、実践(教師、発達援助専門職)と研究(研究者)が強く連携した活動を一貫して行ってきています。

教育科学研究会

教育科学研究会全国大会

教育科学研究会は、毎年8月に全国大会を開催しています。
2020年は奈良県の奈良教育大学附属小学校で8月8日から10日に開催予定です。

北海道教科研事務局から

(ブログ時代同様の定期的な発信を今年からしていきたいと思います。)

(2020.1.1)

  昨年12月、京都府内の私立高校の授業を参観してきました。社会保険労務士とのコラボ授業、脱プラスチックのワールドカフェスタイルの授業を行っていました。上滑りの「アクティブラーニング」ではなく、社会と深くつながり、教室の仲間と対話・創造する学習が展開されていました。シティズンシップ教育の代表的な実践家であるS先生の新科目「公共」の実践構想づくりが楽しみです。

北海道教科研事務局から

(2020.1.2)

 「共感」には二つのシステムが存在していると考えられている。一つは、情動的共感(emotional empathy)、もう一つは認知的共感(cognitive empathy)。認知科学の研究から関係する脳の部位が異なることが明らかになっており、情動的共感は自動的・無意識的に起こるのに対し、認知的共感は意識的な努力を必要とするという考えがあるようです。授業等で主に行われる認知的共感よりも、情動的共感(歓喜や憎悪等)の方が、他の動物も持つ部位による原初的なものであるがゆえに、認知的共感・理性には脆さや弱さが避けられない。「共感」も整理して考える必要があるようです。(嶋田総太郎『悩のなかの自己と他者』共立出版、2019年をもとにした考察)

北海道教科研事務局から

(2020.1.3)

 コミュニケーションというのは、異なる者同士が、違うところ、同じところを互いに探り合う中で、お互いの気持ちの通じ合うところを見つけるものだった。ところが、インターネットのテキストのみのコミュニケーションでは、文字化することによって、書き手はテキストに込めた自分の思いが伝わると考え、読み手は自分の解釈で意味を受け取ってしまう。ICTは、そのようなコミュニケーションの変質の危険を持つものである。(山極寿一と太田光の対談本『「言葉」が暴走する時代の処世術-コミュニケーションに悩む全ての人へ-。』集英社新書、2019年の山極発言をもとに)

北海道教科研事務局から

(2020.1.11)

 

  日本の現状は、長きにわたり続いた学歴社会と受験競争によって確立してしまった学歴偏重の社会意識、それがもたらした塾・教育産業の無節操な蔓延、それが逆に学校関係者に次世代教育の放棄を促していることです。さらには、教育委員会とその末端管理を請け負う校長ら管理職による微に入り細にわたる行政指導のために、教員たちが現場の子ども一人ひとりの全人的な発達を支援する際に必要な判断を下す自由裁量権をとりあげられてしまっていること、他方、このように硬直した公教育制度の中で、塾にも行けず家庭教師にもつけず、企業が販売する問題集・デジタル教材・ビデオ教材などにもアクセスできない貧困家庭の子どもたちが、学力競争のスタートラインで最初からハンディキャップを負わされているという実情です。(リヒテルズ直子・苫野一徳『交教育をイチから考えよう』日本評論社、2016年から)
    リヒテルズさんは、画一化された教育方法や学力競争の異常さを、オランダという、国家の教育政策として自由教育を予算的にも保障している事例をもとに批判し、イエナプラン教育などの可能性を述べています。
    新小学校学習指導要領体制は、スタート時点から杜撰な飽和状態で、短期間で破綻することは目に見えています。破綻後に再び「ゆとり」教育になった時に教育実践を自ら創造できる基礎的な力をつけていこうと若い人たちには話しています。
     日本における「もう一つの教育」を探し考える年に今年はしようと思っています。

北海道教科研事務局から

(2020.1.17)

 

  Twitter『教育』読む会始めました。
https://twitter.com/KyouikuYomukai
日本の教育の現状を憂慮する声をいろいろなところで聴きます。みんなで話し合い、変えていく場を広げていきたいです。

北海道教科研事務局から

(2020.1.17)

 

  心の傷から流れだす血は目には見えない。その人の心はいたんでいるのだが、周囲の人にはわからないことが多い。多くの人が心のいたみを口にせず、口にするのはいけないことだと思っていたりする。それだけでなく、自分は弱い人間だ、自分はダメな人間だと責めいていたりする。だけど、弱い人間でも、ダメな人間でもない。それは、心の傷がいたんで出血しているのだ。そのことをその人だけでなく、周囲の人たちにもわかってほっしい。身体の傷が処置で癒えるように、心の傷も心への消毒と手当があれば癒えることを知ってほしい。心の傷から血が流れだしていくのに気付き、手当をすることが大切なのだ。(青木省三『ぼくらの中の「トラウマ」-いたみを癒やすということ-』ちくまプリマー新書から)日本を代表する児童青年期精神科医の青木省三さんは悩む若者の心に徹底して寄り添い、臨床を行ってきた方です。近著では、『ぼくの中の発達障害』ちくまプリマー新書もお薦めです。青木さんが書いているように、大小の違いはもちろんあるけれど、誰もが「トラウマ」=心の傷(出血)を癒やすことなく、痛みを抱えながら生きているのが現代日本社会だと思います。その「トラウマ」を癒やしていく営みは、学校でも行われるいくものなのだろうと思います。

北海道教科研事務局から

(2020.1.21)

 

  3月末の奈良。
桜、歴史の魅力もプラスしての学びの旅をしてみませんか?教育科学研究会3月集会は、寮美千子さん(奈良少年刑務所での「絵と詩の教室」をまとめた『あふれでたのはやさしさだった』西日本出版社の著者)の講演も行われます。

北海道教科研事務局から

(2020.1.22) 

 

  大抵の教員養成プログラムは、習得すべき教育メソッドをレシピ型で提供するだけに終わっている。未来の教員は、批判的で振り返りのある実践をするよりも、教えることは政治的に偏りのない技術的な手続きだと見なし、現状維持に取り込まれてしまう。
     「教えることを学ぶ」ことは受動的なもので、自分から進んでやる、建設的に関わる、参加者と関係をもつものではなく、何を身につけるかに焦点を当てて行われる。教員養成がそういうものであるために、新米教師は自らを「知識を生み出すのではなく、何かを実施するだけの人と見なすようになる。(ピーター・M・センゲ『学習する学校』英治出版)


    大学院の演習で読んできた本の一節です。
    まるで全国の教職課程に強制された「教職課程コアカリキュラム」のことを言っているような文章です。
     この本、4800円+税と高いですが、図書館に入れるなどして、読んでみることをお薦めしたい本です。

 

北海道教科研事務局から

(2020.1.26) 

 

  教育科学研究会3月集会(3月28日 奈良教育大学で開催。どなたでも参加できます)で講演する寮美千子さんの『あふれでたのはやさしさだった』西日本出版社は、奈良少年刑務所の少年たちとの「絵本と詩の教室」の記録です。その一節を紹介します。

寮さんの講演、聞きに来ませんか?



 そんな彼らは、心の扉を固く閉ざしていた。自分自身の感情もわからないほどに。

 けれども、その鎧を脱ぎ捨て、心の扉を開けたとたん、

あふれでてきたのは、やさしさだった。

 重い罪を犯した人間でも、心の底に眠っているのはやさしさなんだ。

 ほんとうはだれもが、愛されたいし、愛したい。人間って、いい生き物なんだ。

 彼らと出会って、わたしはそう確信するようになった。

 心の扉を開いた鍵は「詩」。そして受け止めてくれる「仲間」の存在。

 「自己表現」+「受けとめ」は、傷ついた彼らの心を確実に癒していった。

月刊誌『教育』

教育科学研究会は、月刊誌『教育』を発行しています。その内容は、全国の教師・研究者・専門家の集まる編集会議をもとに企画されています。
定期購読をお奨めします。

月刊誌『教育』2月号

特集1「いま求められる校長の役割」に、北海道大学の篠原岳司さん、稚内の小学校校長をされていた本間正博さんが執筆しています。
2月の札幌『教育』を読む会は、2月22日の開催です。

教育科学研究会、会員の書籍をお薦めします。


 教育科学研究会は、全国各地に研究者、教育実践家の会員がたくさんいます。教育科学研究会・会員の編集・執筆した本をぜひお読みください。

会長・事務局

会長 内島貞雄(北海道教育大学名誉教授)
事務局長 池田考司(北海道教育大学)
事務局員 徳長誠一(高校教諭)
事務局員 井上大樹(札幌学院大学) 

問い合わせ先

研究会、『教育』を読む会などへの参加問い合わせは次のアドレスにお願いします。
doukyoukaken@yahoo.co.jp

 研究会の開催と会報の発行

北海道教育科学研究会は、年4回の研究会の開催、会報(2019年9月発行が152号)の発行等で北海道の教育に貢献しています。

北海道学びをつくる会との連携

 教師志望の学生、若い教師をサポートし、また、若い教師同士が支え学び合う会<北海道学びをつくる会:世話人 太田一徹・阿部俊樹ほかと連携して、若い教師を支える活動も行っています。
 北海道学びをつくる会の新しい教師向けの集まり<はじめの一歩>は、3月8日(日)13:30からの開催です。

沿革

どんな団体にもそれぞれのストーリーがあります。私たちがどのようにして活動を立ち上げたか、どのようにして今日まできたのかをご覧ください。